空、舞う。

悠々自適に空を舞え。個人的なことぺちゃくちゃしゃべるブログです。あくまで個人の感想です。

作業

伝承とは、科学が発達した現代、ある種、遊び心のように思えます。

僕が特に好きなのは「河童」の話です。
河童についてはいろいろな伝承があるらしいので、あくまで、私の小学校の先生がしてくれた話と限定させていただきます。

河童は川に住む妖怪です。
真夜中、川で遊んでいる子供がいると、その河童が寄っていくそうです。
そして、子供を川底へ引きずり下ろし、お尻の穴から肝をとって食べてしまう。

河童が実在するのかという話はともかく。
ここに私は伝承という「文学作品」に登場する「妖怪」の悲哀を感じてしまうのです。

ここで質問なのですが、この河童は「悪者」でしょうか。
なんの罪もない子供を襲い、殺してしまう「凶悪な存在」でしょうか。

ちょっと待ってください。
「真夜中、川で遊んでいる子供」はどうでしょう。

昔の人は河童という妖怪を作り出すことで、真夜中に子供が川に遊びに行かないようにする方法を考えたのです。
今なら、科学技術の観点、あるいはニュースの情報などから即座に子供へその危険が伝わります。
昔はそうではありません。あえて怖い存在を作り出すことで、子供を危険から遠ざける。

つまり、「妖怪」とは恐れられなければ意味がない。
もし、真夜中の川で河童が遊んでくれるとしたらどうでしょう。
好奇心旺盛な子供は夜の川に遊んでいってしまいます。
そうすれば、現実の危険である「川に飲み込まれる」という脅威が待ち受けているのです。
やはり、妖怪とは悲哀です。

私はその悲哀にすごくロマンを感じます。


追記
もしかしたら、遊んでくれる河童もいるかもしれませんね。今は川も少なくなって遊んでほしがっている河童もいるかもしれません。それもまた悲哀です。